組織情報

ーなぜ私たちは物語に心を動かされるのか? 脳の可塑性とリアリティの探求
Neither Roidは、リアリティの向上に関わる抽象概念の探求に特化した組織です。技術の進歩に伴い、五感情報の数値化が進み、リアリティの保存と再現は着実に進展しています。しかし、同じ景色を見ても、人によって感じ方が異なるように、主観的な要素が大きく影響します。
また現実とは客観的なものではなく、主観的な認識によって構成されるものであると考えています。
私たちは、この主観的な要素、すなわち「本人の理解する文脈や空間デザインが印象に与える影響」に着目し、そのメカニズムを解明することで、人々の心に沿った新たな価値を創造します。

Neither Roidは、仮想空間現実空間を問わずリアリティの構成のために知覚と認知を、被験者の主観を重視して理解することに努めます。一つの結論を導くことに固執するのではなくオブジェクト単位でパッケージとしてまとめることを目標にします。

主観的な現実の解釈という視点

主観情報の提供を受ける際は定量情報よりも定性情報をより重視し、他者が理解できる形でそのニュアンスを授受することを最大の仕事と考えています。

例えば純粋な金製品は酸化しません。非常に古くてもその輝きは失われませんが、それでも人は”古く”感じます。それはなぜかという視点に立ちます。細かい傷や変形であったり、アンティークに見られるデザインの複雑さなのかもしれません。

また例えば全く異なる時期に興味を持っていた二つのメディアを同時に鑑賞すると奇妙な感覚に陥ります。これは主観的な解釈が複雑に干渉し合う例です。

仮想現実や疑似創作物のリアリティを高めるために、特定の結論を導きたくて行うような単なるアンケートではない高度な主観情報の収集と分析を行います。その精度はアンケートでは測れず、ニュアンスの意思疎通を必要とします。

その解釈は非常に奥深いものですが抽象さや個人の解釈による不安定さから突き詰められていないことでもあります。一つ一つの理解が無機質な現実でよりリアリティを高める要素の発掘に貢献すると考えています。

よくある質問

規模に関わらず観察した人の内、多くがどのように感じるかやそのデザイン(または表現に含まれている性質)から影響を受けている示唆はあります。むしろその細やかな特徴が最終的に施設全体に統一感を創り出している表現は多く、その分析や解釈が重要と考えます。

組織では現在実際の建造物やオブジェクト、架空表現に含まれる主観情報の収集を行っています。この情報の分析からリアリティに関する考察を行い蓄積します。私たちの研究は、人々の五感や感情が空間や表現から受ける影響を深く理解することを目的としています。得られた知見は、将来的に、仮想・疑似表現が提供する体験の質を高めるためのものです。

その施設の性質(単に訪問すればいいのか体験を伴うのか、対象範囲など)によりますが、見込みを事前に提示することになります。報告する結果の形式がより”感想”に近ければ素早く提供できますが、”(何が影響を与えているのかといった候補を明確に示す)分析”に近ければ時間がかかる傾向にあります。

専属してプロジェクトに参加することもありますが、一回限りの研究者または協力者を募集(主に優れた感性や表現において、受信能力と発信能力に特別なものをプロジェクト責任者が認めた人物への依頼形式)する場合もあります。そのようにフリーで参加者を募る場合はその参加者の視点が活かされる形で収集は行われます。ここでは多様性が重視されます。また責任者は全ての参加者に理解ある取り組み(主観的にニュアンス精度の高い報告)がなされていることを保証します。もちろん専属の参加者の視点も世界観や違和感を精緻に捉えるものです。